絵梨奈の言葉によって、ようやく落ち着きを取り戻したはつみだったが、
彼女のその反応を見た絵梨奈が戸惑った。

「あたし…また…!?」

自分の顔に手を覆った絵梨奈は、居心地が悪くなってもう一方の海岸の方へと走り出しその場から逃げた。

「絵梨奈!?」

新太が呼び止め追いかけようとしたが、俺は彼を止めた。

「彼女は任せて。」

そう言って逃げゆく絵梨奈を俺は追いかけた。

「難波さん、今の子"魔性"持ちやねんて。」

烏丸が小声でそう伝えると、
同じ特性を持った同士と分かり青山を行かせた。

「俺は物的証拠を捜してくる。
本田刑事、しばらくこの子達を任せるぞ。」

難波さんはそう言って、宿の方に向かった。