「お疲れ様です。」

俺が着くと、本田刑事と烏丸は缶コーヒーを片手に待っていた。

「ほな、行くで。犬っころの出番や。」

烏丸がさっさと外に向かう。彼に聞いても素っ気なさそうなので、本田刑事に話しかける。

「何か見つけたんですか?」

「うん、もしかしたら事故ぢゃないかも。
防波堤で引っ掻き傷を見つけたんだ。青山くんにも視てもらいたくて。」

烏丸を筆頭に歩いていく。
波の音が昼間より荒くて、生温い風が頬を撫でる。

夜の闇も深いので、少しだけ怖く思った。