時刻は21時を回っていた。

「あっがりー!!」
部屋でトランプゲームに決着が着いて畳にゴロンと寝転んだ時、本田刑事から電話が来た。

[…青山くん、ちょっとだけ協力して欲しいんだが。宿の休憩所に来てくれるかな?]

「分かりました。すぐ行きます。」

遠慮がちな本田刑事の頼みなので、俺は立ち上がり羽織を着た。

「遥斗、呼び出し?」

レナさんがトランプを切りながら俺を呼び止める。

「うん、多分すぐ終わるから。みんな遊んでていいよ!」

「分かったわ、行ってらっしゃい。」

こんな突然の呼び出しの時でも笑顔で送り出してくれるレナさんにキュンとした。

今夜はとびきり彼女を悦ばせてやろう!
なんて夜の妄想をしながら、俺は休憩所に向かう。