「刑事さん、助けてくれてありがとう。」

俺の右手を両手で握って、大きな瞳で笑った彼女だったが、目が合った瞬間、何か怖いモノを見たかのようにビクリと反応した。

「え……?刑事さんて…」

「………なに?」

「いえ…ありがとうございました!」

彼女は何か気づいたように、走り去った…。

そしてそれは俺も感じていて、正体はハッキリ分かった。

「青山、2人共温泉上がったぞ。」

廣瀬が声をかけにきた。

「すぐ行く。ねぇ、廣瀬。
さっきの"エナ"に似た女の子も
"魔性"の特性持ちだ…。」

廣瀬はすぐに納得したようだった。