「きゃあ!?…新太!いい加減にしてっ!!」

「いててて…」

俺に見られて恥ずかしい思いをした絵梨奈は、
男の子の頭を掴んで引き剥がす。
その姿を見た時、夕方に視た"Last note"での整髪剤の匂いとリンクした。

「こんな所でおっ始めるな。部屋でしろ!!」

「刑事さんっ助けて!」
絵梨奈が俺にしがみついてきた。
"新太"と呼ばれる男の子は乱れた髪を直しムスッとしていた。

「誘惑してきたの絵梨奈の癖に…」

そう言ってそのまま外へ行ってしまった。

「彼氏ぢゃなかったんだね。今の子同じ学校?」

「彼氏な訳がないわ!ええ、アイツは男バスの。
男子は後もう2人来てます。」

絵梨奈は乱れた制服の襟元を直しながら冷たく言い放った。