「だから出来るだけ、周りを操って木村新太に疑いがかかるようにしたの。」

「それも失敗に終わって良かったですよ。」

皮肉混じりにそう言い残して、
聴取を終えた俺達はそこを立ち去った。

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「あー!疲れたぁあ!!」

外に出た俺は真っ先に叫んだ。

「切れずによく耐えたな。」

難波さんが俺の頭を撫でた。

「難波さん、昨日"魔性"にかかってましたよね?」

ストレートに確認すると、
難波さんが「バレてたか」と苦笑いした。

「帰ったら何故か無性に好きな女の事を考えてしまって……いつの間にか寝てしまっていた。
突然フッと目が覚めたら青山くんから着信来てビックリしたよ。すまんな。」

「えっ!?筋肉バカの難波さんに好きな人!?
誰ですか?!俺も知ってる人ですか!?」

そう言うと小突かれた…。