ブラックライトの淡く薄い灯りが点滅している。

刑事はいつまで見張るつもりなのかと思うと、梁瀬や暴れたホストへの怒りが満ちてくる。

店内の床をモップ掛けし、テーブルや椅子を拭き上げ、入念に点検する。

梁瀬の処分も処遇も決まったが、不安要素が払拭されたとは言い切れない。

耳の後ろの痣に気づいている奴がいたーーのも、迂闊だった。

ハァーと長い溜め息をついた時、裏口のドアが開く音がした。

「悠斗、点検は終わったか?」

振り返ると、蜷川常務が電子煙草を加えて立っていた。

「点滅しているライト。取り替え、依頼しておけよ」

「はい」

スーツの上着を脱ぎ白シャツの袖を捲り上げた俺の背中越し、蜷川常務の視線を感じた。

「背中、透けて見えてるぞ」

汗で肌に張りついたシャツの下、蜷川常務の吸いつくような視線が痛かった。