悠斗があたしに詰め寄る。

痺れた膝がさっきから限界だ。

「凛子」

あたしは後ろに下がろうとして、バランスを崩し「あっ」と畳に、手をついた。

悠斗がその手をギュッと握ったかと思うと、畳の上に押し倒された。

悠斗の顔があたしの顔の上にある。

悠斗があたしをじっと見下ろしている。

「凛子、お前は俺が守る。たから、家に戻れ」

カーッと身体中が火照っていく。

「盃を請けたのも、若頭になったのも、お前を守るためだ」

悠斗の力はあたしが思うよりずっと強くて、あたしがいくら、悠斗から逃れようとしても身動き1つできない。

「凛子」

「……わかった。わかったから」

あたしが言うと、悠斗はあたしの体を抱き起こし、ギュッと強く抱きしめた。

「悠斗」

あたしも悠斗に負けないくらい、悠斗を強く抱きしめる。

「お前は俺が守る。何があっても絶対に」