「あたしは……退屈だなんて」

「よく頑張ったよ、4ヶ月も。俺は1ヶ月続けばいいと思っていた」

「はあーー。失礼だぞ」

「ごめん、ごめん」

あたしは修行の窮屈云々より、悠斗と一緒に居られる時間が欲しかったけだ。

悠斗があたしの側にいて、あたしにあれこれと声をかけてくれる時間が楽しかった。

だから、退屈だとか窮屈だとか思ったことはない。

「悠斗、あたしは……」

「凛子、神社にお前を護れる奴はいない。それに、神社で殺生ごとを起こすわけにはいかない」

「あたしは別に護られなくても」

「松尾組の1件以来、ずっと考えていた。警護の目は多い方がいい。家に戻れ。修行は終わり、卒業だ」

「悠斗、あたしはもっと悠斗の近くに」

「組の仕事も増えている。こちらにいる時間より、組にいる時間の方が長くなる。だから」

茶道の道具の片付けがまだ途中だ。