2年間という短大生活は窮屈でもあり、楽しくもあった。
親父が信心深いせいもあり、仏教系の、しかも家から徒歩30分圏内の短大に通うことという条件が必須だった。
組の派閥や敵対している極道などのトラブルを心配しての、親父なりのあたしに対する気配りだ。
短大は悠斗の神社と系統しているため、住職と悠斗は何か行事があるたび短大に顔を出した。
卒業式には住職が来賓に来ているはずだと思っていたが、来賓挨拶で壇上に上がったのは悠斗だった。
凛々しい袈裟姿に式場がにわかに騒がしくなった。
壇上の中央に立つと、さらに場内はざわついた。
悠斗はそれをものともせず合掌し、壇上のマイクを調節し顔を上げた。
「光泉寺住職の名代として、お祝いのご挨拶をさせていただきます、悠斗と申します」
親父が信心深いせいもあり、仏教系の、しかも家から徒歩30分圏内の短大に通うことという条件が必須だった。
組の派閥や敵対している極道などのトラブルを心配しての、親父なりのあたしに対する気配りだ。
短大は悠斗の神社と系統しているため、住職と悠斗は何か行事があるたび短大に顔を出した。
卒業式には住職が来賓に来ているはずだと思っていたが、来賓挨拶で壇上に上がったのは悠斗だった。
凛々しい袈裟姿に式場がにわかに騒がしくなった。
壇上の中央に立つと、さらに場内はざわついた。
悠斗はそれをものともせず合掌し、壇上のマイクを調節し顔を上げた。
「光泉寺住職の名代として、お祝いのご挨拶をさせていただきます、悠斗と申します」



