私は醜いアヒルの子

「ちょっと!何言ってるんですか!」
スーツの袖を思いっきり引っ張って、男性を私の方に向かせる。

『ゴクッ』
何人かの唾を飲み込んだような音が聞こえる

心無しかまた空気が張り詰めたような…
でも今はそんなことどうでもいい。

私を見下げる男性を睨む

通うなんて聞いてないし、私自身そんなこと絶対にしない

「今の言葉、撤回してください。あまりにも横暴すぎます」
真っ黒な瞳に私の姿が映る。
あまりにも美しくて息を呑んだ。
黒すぎて闇に溶けそう────────

「っ姉さん!零さんに向かって失礼すぎる!!」
いきなり肩を引っ張られ、ぐらつく。

ぐらついた私をそっと支えてくれたのは"れい"と呼ばれた男の人だった。
また『おおっ』と騒めきが起きる。
どんだけ驚くんだろう