私は醜いアヒルの子


まだ騒めきが収まりきっていない中、私を連れて来た男性が1歩前に出る。
その瞬間、ピリッとした空気と共に静寂が訪れる。

一瞬で黙らせるって、この人何者なんだろう…

皆の視線が集中する中、話し出す男性

その声はやっぱりお腹にズンと来るような威圧がある。

でも何故か滑らかで、低い、耳に残る声。

沢山いる男達一人一人に釘を刺すような喋り方だった。

鋭く光らせた目で、周りをゆっくりと見回す。
「詳しい事はまだ教えられねぇが、コイツこれから通う事になる。顔だけでも…外見だけでも覚えとけ」

…顔から外見って言い直した…
いいんですけどね
何となく前髪を整える。

人に覚えて貰うっていうなら、少しは身だしなみを整えないとね。
……………………「は?」

そんな私の呟きは
『うっす!!!!』
何十人といる男達の返事によって掻き消された。