私はのそりと立ち上がり、散らばった私物を鞄に入れて行く。
ヒソヒソヒソ
その間も私への非難が止むことは無い。
─────私、何もやってないのに
荷物がまとまるとその場から走り出した。
どうしても、早く、この場所から逃げたかった。
─────私があの子に虐めてるのに
玄関を、校門を、走り抜ける。看守さんが驚いた顔をしていた。それはそうだろう。皆、車の送迎があるはずだから。
─────ああ、もう
なんだかやり切れない気持ちに駆られ、運動が得意でない体なのにスピードを上げる
ヒソヒソヒソ
あの場所からは抜けたのに
ヒソヒソヒソ
まだ皆に私の噂をされているように感じる
ギュッと目を強く瞑る。
暗闇に浮かんだのは歪んだ笑顔を向けてくる母の姿
今朝、あのような命令は、人の扱いを無視するようなものは、初めてだった。
私はあの時、人間としてのプライドを捨てた。
────────ほんっと、何してるんだろう。私。
目尻から、目頭から熱い物が出た気がしたが、気の所為だろう。
走って、走って、走って、走って、走って
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ヒソヒソヒソ
その間も私への非難が止むことは無い。
─────私、何もやってないのに
荷物がまとまるとその場から走り出した。
どうしても、早く、この場所から逃げたかった。
─────私があの子に虐めてるのに
玄関を、校門を、走り抜ける。看守さんが驚いた顔をしていた。それはそうだろう。皆、車の送迎があるはずだから。
─────ああ、もう
なんだかやり切れない気持ちに駆られ、運動が得意でない体なのにスピードを上げる
ヒソヒソヒソ
あの場所からは抜けたのに
ヒソヒソヒソ
まだ皆に私の噂をされているように感じる
ギュッと目を強く瞑る。
暗闇に浮かんだのは歪んだ笑顔を向けてくる母の姿
今朝、あのような命令は、人の扱いを無視するようなものは、初めてだった。
私はあの時、人間としてのプライドを捨てた。
────────ほんっと、何してるんだろう。私。
目尻から、目頭から熱い物が出た気がしたが、気の所為だろう。
走って、走って、走って、走って、走って
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