……またこの演劇を見ないといけないのか。
「皆さん、ありがとう…。でも私は大丈夫ですから、そんなにお姉様を責めないで下さい。」
ひっく、ひっく、と肩を震わせ、泣いている演技をするユリ
そんなユリに騙される女子達
「そんな…!ユリ様は優し過ぎます。今朝だって意地悪されたのでしょう?」
「…ええ…。でもただ水をかけられただけですから。…私が悪いのです。」
この言葉を聞いた取り巻きから悲鳴が上がる
「はあ!?有り得ませんわ!」
「こんな美しいお顔と体に何かあったらどうしますの!?」
……はあ。これだから、、、
普通に考えて、水で体は傷つくはずがないでしょう。
いつここを離れればいいんだ…
ポツンと立っていた私に、ヅカヅカと近づいてくる1人の女子
あ、と思った瞬間はもう遅い。
ドンッ
「っ───」
肩を強く押され、後ろに尻もちを付く


