私は醜いアヒルの子

~2時間前~


ザアア─────
大粒の雨が打ち付ける窓に前髪で隠しきれなかった私のへの字の口が映る。

…最悪だ。
何が最悪かって、この大雨のこともあるけれど、迎えの車が来ない方が私にとって1番最悪だ。
6限が3:20に終わるので3:30には車が学校に着いているようにしている。
ましてや、毎日行っていることなので運転手さんの間違いなんかでは無いだろう。
「お母様の差し金だろうなあ…」
前にも何回かこういう事があった。決まってこんな天気が悪い日。母は嵐の日でも雪の日でも容赦しない。
娘にこんな事やって飽きないんだろうか…

はぁ、こんな事考えてても仕方ない。
今は4:00。最終下校時間は7:00だから雨が落ち着くまで待とう。
本を読んで待つために、鞄を持って図書館に向かう。

「……あ、」
雪里……
「あら?あちらはユリ様のお姉様ではなくて?」
ユリより先に、取り巻きの女子が私を見つける。

その瞬間
ユリが私を見て、一瞬で怯えたような声色に変える
「っ。お姉様、、、えっと私、ごめんなさい!わざとここに来たわけではないんです!」
震える妹を庇うように周りを女子が囲む。
「ちょっとユリ様、あんな方に謝る必要はありませんわ!」
「そうですよ!家で意地悪されている事だって私達は知っていますよ!」