私は醜いアヒルの子

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そんな有難い存在のティンクとピーターに仕方なく今朝のことを話す。
「実は朝、お母様に叩かれたんです。ですが私が準備するのが遅かったからいけなかったんですよ。次、気をつければ大丈夫です!」
元気に笑ってみせる。
前髪のせいで口しか見えてないだろうけれど…

あの床の件は省いた。それを話したらこの妖精の怒気はたまったもんじゃないですからね。

「はあ!?そんなの使用人の仕事なのにコウに押し付けるからでしょ!文句があんなら自分でやんなさいよ!」
「ちょ、私に言われても、、」
「コウは優しすぎるんだよ!そんな奴、1発殴っちゃえ!」
「ピーターまで、、そんなこと出来ませんよ。しかも私優しくなんかありませんし、、」

────そうなのだ。私は全く優しくない。ただ弱虫で怖がりで根性が無いだけだ。

何度、あの家を出ようと思ったことだろう。でも結局はその後どうなるか怖くて、諦めてきた。何度も何度も何度も。。

そんな私は本当にどうしようもない弱虫だ。