私は醜いアヒルの子

──────────私には2つの秘密がある。

1つめ。

それは、植物の妖精と話せることだ。

でもそれは何の植物でもいける、って訳じゃない。
私が植えて、世話をしてきた花や木の妖精としか話せない。
そんな自分の特殊能力を発見したのは、
…いつだったか。
それがなんでか思い出せないのだ。
黒いモヤみたいなのが頭を埋める。それに、ズキンと頭が痛くなるのだ。
だから無理に思い出そうとしていない。

そして、気づいた時には"ソリュージェ"と呟くと現れる妖精達と自由に話して、遊んでいた。
…だから、今は心を許せるのは妖精達しかいないのだ。

妖精達も私の母と姉の事は察している。
母や姉の行いに怒っているが、妖精は自分達が見えていない人間に触れることは出来ない。それに、近くに豊かな植物ないと現れることも出来ないし、そこから遠くへは離れることができない。

私はそんな妖精達の気持に感謝しかないのだ。
何か手出しできなくとも、唯一の味方であることは変わりない。