カツン カツン
平均よりやや踵の高いルーファーが音を立てて階段を上る。
8階立て中の4階にある1年A組に向かっているのだ。
こんなにお金を持っているのならエレベーター式にしてくれればいいのに、と心の中で文句を言っているうちに4階に着いてしまった。

横幅10メートル以上はあるであろう洒落た木模様の廊下は、金で縁取られ、装飾された窓から差さる光によって暖かな雰囲気を出していた。
外を見上げると先程まで曇っていた空に太陽が姿を現し始めていた。
良かった。晴れてきた…。
頭痛が収まっていく途中で、2人組になった女子の生徒とすれ違う。
その2人は私をチラチラと見ながらヒソヒソ話し出す。
私の事を話しているのは分かったが、特に反応する必要はない。こんなの毎日のことであり、めんどくさいだけなのだ。