家を出ると既に送迎用の車が停まっていた。
おはようございます、とだけの挨拶をして他には何も会話をせずに走り出す。

今日は曇り空か…
窓の外を見ていると何故かズキリと頭が痛んだ。
ズキリ、ズキリ

─────このまま頭が破裂して死にたいな

そんな願いも虚しく生きたまま学校に着いた。
校門の前に停車した車を出て、学校に入る。

ピッ
生徒手帳にある特殊な装置によって校門のチェックを通り抜けられるシステムになっている。
何故、こんなにもガードが固いかというと、平たく言えば"お金持ちの学校"だからである。


とても大きく、且つ外装にも内装にもお金をかけているこの学校は、全国トップレベルの財閥のご子息だけが通える。
学校の敷地の中には室内庭園や、本格的な実験室などがあり、量、質、技術、と全てに置いて日本1を誇るこの学校は
一瞬だけ見たらお城と見間違える人が居るほど。

生徒達の制服だって業界のプロに頼み、高級な布地を惜しみなく使っている物だ。
その上、身なりに人一倍気をつけるご子息達は肌質、髪型、髪質、指先までとことんこだわっている。

この学園の名前を
«葉龍(ヨウリン)学園»
という