歩みを止めず、扉に向かいながら妹からの質問に答える。
「私はもう学校に行って参ります。」

さっき母に落とされた朝食はきっかり一人分だった。
私に朝食は無いということだろう。
流石、嫌がらせの才能がある
母に対し、呆れながらも感心する。

「そうなのね。なら、また学校で」

その挨拶には応えないまま、部屋を出た。



めんどくさい朝だった。今日一日、何事も起こりませんように

何か嫌な予感が胸に過ぎり、祈りながら制服に着替えて家を出る。
勿論、何分もかけて歯磨きもしたので抜かりなしだ。