~コウside~
私の名前と、可能ならば今にでも捨てたい忌々しい肩書きを言われたことで私を見下ろす少女の方に顔を向ける。

何となく眩しい気がして目を細める。

私の目の前に立つ美少女と美人な人達。
それは私と双子の妹と、私の実の母親。

二人とも顔の特徴や髪がよく似ている。

薄いブラウンの髪色にふわふわとしたウェーブ。
肌は白く、唇は薄いが形が整い桃色になっている。頬は淡い桃色で優しい印象を与える。
目だって透き通るようなブラウン色でまさに天使と女神のよう。

それに比べ、、
私は自分の髪を見る。黒く悪魔の様な髪の毛。肌だって今までの仕打ちにより赤く晴れていたり絆創膏が貼られていたりと、目を背けたくなる。

自分の容姿を確認する時、同時に視界に入ってきた着物。

食べ物により散乱した床に跪き、両手を付けたことによって汚れた袖。
制服に着替えた妹と比べてみる。

確かにみすぼらしい。

バレないようため息を吐き、思考を巡らす。
……皆の朝食を準備して、床も掃除した
ならば……………


立ち上がって2人に浅いお辞儀をして横を通り抜ける。

「コウお姉様、どこに行くんですか?」

きっと察して分かっているはずだろう。

それなのにわざわざ質問してくるのは、私の事を嫌っている事をよく表しているようなものだ。