──────────どの位時間が経ったのか
15分か20分か…正確には5分だけだったが、この部屋は倍以上の時間が経ったような、異様な空気になっていた。
舌が疲れてきた、と空っぽの体で感じてきたのか少女の動きが鈍くなってきた時
ボーンボーンボーンボーンボーンボーンボーン
隣の部屋にある時計が7時になったことを告げた。
娘の動きを見ていた母はあからさまに面白くなさそうな顔をしがっかりした声色で言う。
「あーあ。もう7時だわ。準備をしてさっさと行きなさい。」
動き出した母を黙認する。
娘は黙って立ち上がり、母とこれから来る2人の朝食の支度をして床を掃除する。
程なくして扉を開ける音がした。
「お母様、おはようございます」
鈴の様な可憐な声と、パタパタと近づいてくる足音を確認すると床を掃除していた体は硬直したのか動きを止める。
その声の人物は母親に挨拶をすると変な物でも見るかのように床に座る人間を見た。


