こう君への面会は悲しいことに私の日常に溶け込んでくる。
いつものように授業が終わってから面会に行くと、こう君が目を覚ましていた。

「あ、あーちゃんだー!」

元気だった時と変わらない笑顔で笑いかけてきた。

「こ……こう君?大丈夫なの……?」
「うん!疲れてただけだって!」
「よ、よかったぁ………!」

安堵のせいで座り込んだ私を笑うこう君。

穏やかな光景のはずなのに悲しげに時間が流れていった。

私はそれに気づくことが出来なかった。