「あの、どこ行こうとしているんですか。
親戚の家は反対方向なんですが…」



男の人は私の言葉を無視してどんどん歩いていく。



私はこのまま何処か連れて行かれるのかな。



神様が家出をした罰を与えたのかな。なんて
涙をこらえながら考えていると、



「おじさん、その女俺のなんだけど」



という声が聞こえたと同時に腕を引っ張られ、
誰かに包まれた感覚があった。