「校舎の電気、消えてるね」
「ああ、でもまだ職員玄関が明るいな」
多分もうそろそろ残っていた先生達も出ていくのだろう。
人影もよく見えないため、頼りになるのは明かりだけだ。
「あ、消えた」
電気は消されて、学校に明かりはなくなった。
あるのは道路側の街頭だけ。
道路に面しているところはぼんやり明るい。
「じゃあ、移動するか」
頷いて、佐々木くんについて行く。
正門からは入ろうと思えば入れるが、人目に付く可能性や、プールまでそこそこ距離があることから、別の入口から入ることになっていた。
佐々木くんについて行くと、着いたのは部室裏に面する場所で、小さな木の門があり、そこが鍵も使わず普通に開いた。
「不用心……」
「学校てどこもそういうもんだ」
こうして難なく学校へ侵入した私達は、直接プールへと向かった。
