非日常と日常


「ふうこ、ご飯食べよー」


昼休み、今日も私のクラスに顔を出したさやちんは、高い位置で結んだツインテールを揺らしていた。


「中庭行こうかー、さやちん髪型すごいね」

「今しかできない髪型だからね、若いうちにやっとかなきゃ!」


わはは、と大きな口を開けて笑うさやちん。
今日もいつも通りで何より。


──あれから2日、佐々木くんと連絡先の交換はしたものの、連絡が来ることは無かった。
教室にも訪ねてこないし、学校で会うこともない。

もしかしたら、夢だった?と思ってしまう程、何もなかった。
あの時少し感じていたわくわくが、すっと冷めてしまったようだ。




「あちゃー、今日中庭のベンチ空いてないね。どうするふうこ?」

「え、うそまじで?」