ノンフィクションにご注意を

サイフをポケットから取り出して見せて、玄関に行こうと足を動かす。


しかし「待、待て待て待て!」と左手首を掴まれ、止められてしまった。


「何?あっ、もしかして許斐君も何か欲しいの?」


「そうじゃなくて………1人じゃ危ないだろうが」


「危ない?6月のよく晴れた日で外全然明るいのに?私の家ここから徒歩10分だから、ここら辺の地理も把握してるよ?」


だから迷子になる心配だって無いのに、君は何を焦ってるんだい?


首を傾げながら許斐君を見つめると、彼は自分の黒髪をクシャクシャと乱す。


「あーーー…えーーーっと……」