許斐君に同じ部屋で寝てもいい許可を貰った私は、予備の布団をうんとこどっこいしょと運び入れる。


「別にベッド使ってもいいのに……」


テキパキと布団を敷いていると、私の事をジッと見ていた許斐君がそう呟いた。


「もう、この部屋の主は許斐君なんだから、私がベッド使うワケにはいかないってさっきも言ったでしょ。床に雑魚寝じゃなくてこうして布団あるだけで充分だよ」


どうやら彼は自分が布団で寝て、私にベッドを譲りたいらしい。


優しい許斐君らしい考えだけどさすがにそこまで甘える事は出来ず、黙々と手を進めていく私。


「よしっ!」