それは溝渕と芙美さんがオレと親父が住むマンションに来てから、もう少しで1ヵ月が経つ…という頃に起こった。


「えっと、シャー芯あるかな…あっ、あった」


晩飯に溝渕お手製のカルボナーラを食べて、入浴も済ませたオレは、自室で学校の宿題に取り組んでいた。


カーテンの隙間から見える外の世界は、もう真っ暗。


本当はこんなギリギリじゃなくてもっと早く終わらせる気だったんだが……うっかり下校後リビングのソファーで寝てしまったオレ。


『…君。許斐君。もうそろそろ晩ご飯出来るから、起きて?』


『えっ…?晩ご飯って………今何時だ?』