きっと私に恋愛感情を持っていなくても、彼はこう言ってくれたかもしれない。


だけどこれまでのアタックでグラグラ揺らつき始めている心に染み入るには、充分で。


「う、うん、分かった…ごめんね許斐君」


私が素直に謝ると、許斐君は嬉しそうに微笑んだ。


……っ、ホッペが熱いよ……


これは夏だからとか関係無く、私自身が許斐君にドキドキしちゃってるのが原因なんだ………それは否定出来ない。


ドキドキしてるのは事実…と認めるけど、今の私の気持ちはまだ許斐君と全てが同じとは言い切れない。


この人は真面目に私に向き合ってくれた。