「なんだよ、東海林。オレに何か用か?」


自席に向けていた足を東海林の席に変えて、歩み寄った。


イスに座っていた東海林と、その周りを囲む様に立っていた知早と時雨と佐渡は、一斉にオレに生暖かい眼差しを向ける。


「いやぁ、見てたよ許斐君。相変わらず摩友子に避けられてるわねぇ」


「可哀想なれー君………ガンバ☆」


「時雨テメッ、誰がれー君だっ!!」


気持ち悪い呼び方をしてくる時雨に、遠慮なくチョップしてやった。


実は知早と時雨はもちろんの事だが、すでに東海林と佐渡の女子2人もオレが溝渕を好きだと知っているんだ。