スパン!と引き戸を閉めると、慎重に鍵をかけた。


「ちょっと許斐君、なんで鍵かけるのよ………」


「――話してる所、ジャマされたくないから」


「は…話?話って何?私は話す事なんて無いよ……?」


「溝渕親子と許斐親子が顔合わせた翌日、お前は話があるってオレをここまで連れてきたのに――――…冷たいな、溝渕」


ゆっくりと溝渕と対峙すると、彼女は全身から疑問符を大量生産していた。


きっと状況が目まぐるしく変わりまくってるせいで、頭が追いついてこられないのだろう。


だけど状況が急に変わったのは、オレだって同じだった。