「はい。これも」
「――」
「あと、これも」
ガシャンガシャンと次々にお皿もキッチンに並べる成也。
結局、お皿じゃんけんは、私の負け。
「よろしくな~」
悪戯っ子みたいに笑ってリビングへ向かう成也に向けて頬を膨らませる。
む~~!
なんか悔しいっ!
一気に悔しくなってガチャガチャとお皿を洗った。
だけど、自分で言い出した事だから文句は言えない。
ドサッとソファーに座る音と同時に、リビングの方でテレビの音が聞こえた。
でも、しばらくすると――。
「皿、割るなよ」
「割ってないもん!」
「泡、顔についてる」
「つ、ついてないもん!」
むくれる私を見て、少し微笑んだ成也は洗ったお皿を布巾で拭き始めた。
その姿に、慌てて声を上げる。



