「おいしい!」
「よかった。紗羅、昔からカレーライス好きだもんな」
「うん!」
大きく頷くと、成也も嬉しそうに微笑んでくれた。
だけど、私が一番嬉しかったのは、成也が私の好きな食べ物を覚えてくれていた事。
小さなそんな一言が、どんどん私の好きな気持ちを膨らませた。
私の言葉を待っていたみたいに成也も、やっと食べ始めた。
昔から綺麗な食べ方をするけど、それは今も変わっていなかった。
「ね~ね~! 食べ終わったら、お皿片付けジャンケンね!」
「はいはい」
はしゃぐ私の言葉に、クスクスと笑う成也。
成也といると、子供に戻ったみたいに感じる。
私を甘やかして、大事に大事に守ってくれている。
それが、温かい羽毛の布団の中にいるみたいで居心地が良かった。



