◇◆◇
「成也、コレ返すね。預かってたモノだから」
ひとしきり俺に抱き着いた後、紗羅は徐に首にかかっていた夜光貝のネックレスを外した。
月明かりに照らされて、虹色に光る貝。
「いいよ。紗羅にあげる」
「え!? でも、成也、これ宝物って」
「今は紗羅の宝物だろ」
「――うん!! 成也ありがとう!!」
無邪気に笑う紗羅が愛しくて、思わず頬が緩む。
じっと紗羅を見つめると、紗羅も俺を見つめかえしてくる。
何度も何度も、紗羅はあの後、俺に好きだと囁いた。
その度に、恥ずかしさと嬉しさが込み上げて幸せの中に埋もれる。
自分の中にこんな感情があった事に驚いた。
こんなにも誰かを愛おしいと思えたのかと思って。
だけど、誰かを愛せる自分がいて良かったと思う。
それまでは、こんな感情、誰にも芽生えた事なんて無かったから。
「成也、コレ返すね。預かってたモノだから」
ひとしきり俺に抱き着いた後、紗羅は徐に首にかかっていた夜光貝のネックレスを外した。
月明かりに照らされて、虹色に光る貝。
「いいよ。紗羅にあげる」
「え!? でも、成也、これ宝物って」
「今は紗羅の宝物だろ」
「――うん!! 成也ありがとう!!」
無邪気に笑う紗羅が愛しくて、思わず頬が緩む。
じっと紗羅を見つめると、紗羅も俺を見つめかえしてくる。
何度も何度も、紗羅はあの後、俺に好きだと囁いた。
その度に、恥ずかしさと嬉しさが込み上げて幸せの中に埋もれる。
自分の中にこんな感情があった事に驚いた。
こんなにも誰かを愛おしいと思えたのかと思って。
だけど、誰かを愛せる自分がいて良かったと思う。
それまでは、こんな感情、誰にも芽生えた事なんて無かったから。



