紗羅に、その事を話すと「そっか」とだけ言った。
和志達も、特になにも言ってこなかった。
それからも、変わらず紗羅への気持ちを持っている。
むしろ、日に日に大きくなっている。
今にも零れそうな気持ちを胸に、紗羅と過ごす一日一日を大切にしていた。
先日、たまたま去年買った花火を見つけた紗羅が、やりたい! と目を輝かせたのが今日の始まり。
そして、せっかくだから夜の海を見ながらやろうって事になり、今堤防に向かっている。
忙しなく前を歩く紗羅は、俺の持っていたバケツを奪い取って鼻歌混じりだ。
その姿があまりにも可愛くて、なんでもしてあげたいと思ってしまう。
「ねぇ、成也。これ、なあに?」
「これは、ネズミ花火」
「わお。Rat......これは?」
「こっちは打ち上げ花火」
「カツアゲハナビ.....これは?」
「打ち上げね。これは―――」
「線香花火だ!!」
「正解」
真っ暗な夜の海を背に、小さな蝋燭を囲んで地面に花火を広げる。
ぼんやりと浮かび上がる紗羅の表情は、どこか幻想的で彫刻のように綺麗だった。
和志達も、特になにも言ってこなかった。
それからも、変わらず紗羅への気持ちを持っている。
むしろ、日に日に大きくなっている。
今にも零れそうな気持ちを胸に、紗羅と過ごす一日一日を大切にしていた。
先日、たまたま去年買った花火を見つけた紗羅が、やりたい! と目を輝かせたのが今日の始まり。
そして、せっかくだから夜の海を見ながらやろうって事になり、今堤防に向かっている。
忙しなく前を歩く紗羅は、俺の持っていたバケツを奪い取って鼻歌混じりだ。
その姿があまりにも可愛くて、なんでもしてあげたいと思ってしまう。
「ねぇ、成也。これ、なあに?」
「これは、ネズミ花火」
「わお。Rat......これは?」
「こっちは打ち上げ花火」
「カツアゲハナビ.....これは?」
「打ち上げね。これは―――」
「線香花火だ!!」
「正解」
真っ暗な夜の海を背に、小さな蝋燭を囲んで地面に花火を広げる。
ぼんやりと浮かび上がる紗羅の表情は、どこか幻想的で彫刻のように綺麗だった。



