紗羅と並んで歩いた。
おっちょこちょいなのか、傘は1つしか持ってきていなかった。
小さな傘の下、二人寄り添って歩く。
俺より頭一つ小さな紗羅は、話す度に俺を見上げた。
微笑むその姿が可愛くて、俺も無意識に笑みが零れる。
「なんだか子供の頃を思い出すな」
「え~? どんな事?」
「紗羅が迷子になって、俺が雨の中探した時の事」
「あ! かくれんぼしてた時だ!」
「夜になっても出てこないんだもん、忍者並みだよ」
「隠れるのに必死になってたら、どこか分からなくなっちゃったんだよね」
小さい頃、2人でよくしたかくれんぼ。
夜になっても出てこない紗羅を、俺は雨の中必死に探した。
すると、小さな空地にあった倒れたドラム缶の中に入って、紗羅は膝を抱えていた。
そして、俺の顔を見るや否や泣きながら抱きついてきた。
泣き止まない紗羅の頭を撫でながら、こうやって相合傘で家まで並んで帰った。
今まで思い出しもしなかった遠い日の思い出が、紗羅と再会してからフラッシュバックのように思い出す。
何かのキッカケに、鮮明に脳裏に蘇る。



