人魚姫の涙

ビーチには夕日を眺めるカップルや、ジョギングをする人、犬の散歩をする人が見える。

その人ごみの中に長い栗毛の髪を見つけて、反射的に駆け寄る。

だけど違うと分かった瞬間、胸の奥が熱くなって行き場のない悲しみや怒りが手を震わせた。


「どうしてだよっ」


真っ赤な夕日が今日も俺を責める。

どうして手を離した。

どうして守ってあげなかった。

どうして笑顔を奪った。

どうして幸せにしてあげられない。


どうして諦めない――。