人魚姫の涙



それから、しばらくして和志が車に乗って俺達を迎えに来た。

俺達の格好を見ても和志は特に何も追求せずに車を走らせた。





「とりあえず、何か着なきゃだな」


和志の部屋に通されて、まず放った和志の一言。

部屋を出て行ったかと思えば、何やら花柄のワンピースを持って現れた。


「妹のだけど今の格好よりはマシだろ」


ルームウエア姿の紗羅を見て、苦笑いを浮かべた和志。

お礼を言ってそれを受け取った紗羅は、着替える為にトイレへと向かった。

俺達2人だけになった部屋で、ベットに腰掛けた和志が大きな溜息と共に口を開く。


「で? どうしてこうなった」


どうして、こうなった――。

その言葉に自嘲気に笑った。


「……俺が一番聞きたいよ」


どうして。

どうして。

俺の頭の中をずっと巡るこの言葉。

そんな俺を見ても、全く表情を崩さずに視線をこちらに向ける和志。


「何があった」


そして、冷静にそう尋ねた。