「ハァ……ハァ」
暗闇に俺達2人の荒い息だけが聞こえる。
さっきまで後ろで聞こえていた母さんとおじさんの声はもう聞こえない。
「せぃ…...や…...」
息も絶え絶えな紗羅の声が聞こえて、走っていた足を止めた。
「紗羅っ……大丈夫か?」
俺の言葉にコクンと頷いて、顔を上げた紗羅。
暗闇の中に青い瞳が妖しくぼんやりと浮かぶ。
「ふふっ...…ビックリしたぁ~」
息を整えてから、ふっと顔を緩ませ、紗羅が肩を揺らして笑い出した。
その笑い声に、それまでピンと張っていた糸が緩んだ。
今の現状に不釣り合いな楽し気な紗羅の笑い声。
「――は...…ははははっ」
だけど俺も、不思議と笑えた。
暗闇に俺達2人の荒い息だけが聞こえる。
さっきまで後ろで聞こえていた母さんとおじさんの声はもう聞こえない。
「せぃ…...や…...」
息も絶え絶えな紗羅の声が聞こえて、走っていた足を止めた。
「紗羅っ……大丈夫か?」
俺の言葉にコクンと頷いて、顔を上げた紗羅。
暗闇の中に青い瞳が妖しくぼんやりと浮かぶ。
「ふふっ...…ビックリしたぁ~」
息を整えてから、ふっと顔を緩ませ、紗羅が肩を揺らして笑い出した。
その笑い声に、それまでピンと張っていた糸が緩んだ。
今の現状に不釣り合いな楽し気な紗羅の笑い声。
「――は...…ははははっ」
だけど俺も、不思議と笑えた。



