紗羅の泣き声だけが響く部屋。

時間が経つにつれて、パニックだった頭も落ち着いてきた。

それと同時に現実を受け止め始める。


俺達の現実。

俺達の前にできた大きな壁。

俺達の行く末。

俺達の罪――。


視線を前に向けると、おじさんと母さんは抱きしめあう俺達を複雑な顔をして見ている。

当たり前だ。

俺達は兄妹なんだから。

そんな冷静な声が俺の頭の中で聞こえる。


そんな中、おじさんと目が合う。

真っ直ぐに俺を見つめる鷹の様な瞳。

父親の瞳。

この時、俺は直感した。