紗羅の口から零れた言葉が理解できなかった。

いや、理解したくなかった。

俺と紗羅が兄妹?

そんな事、突然言われて納得できる人間なんているはずない。


「ちょ、待って。意味が分からない……どうして」


思った事が考える前に口から零れ落ちる。

嘘だ。

何かの間違いだ。

そんな事あるはずがない。


「成也」


動揺する俺の顔を真っ直ぐ見て、紗羅はギュッと手を握った。

反射的に顔を上げると、そこには悲しそうな瞳を俺に向ける紗羅がいた。

その瞳を見て、思う。


何かの間違いだって――。