人魚姫の涙


「うん……うん。ありがと、成也」


俺の真剣な答えに、紗羅は少し照れくさそうに笑った。

それと同時に、真っ青な瞳から頬に一筋の涙が流れた。


「えへへ」


急に泣き出した紗羅にカナリ驚いた。

オロオロする俺に、沙羅は何度も涙を拭って笑顔を作る。


「どした!?」

「ううん、嬉しくって」


無邪気に笑ってそう言う紗羅が愛おしくて、真珠の肌に流れる涙をゆっくりと拭った。

どこまでも真っ直ぐなその心に、俺が一生側にいて守ってあげたくなる。


「愛してるよ、紗羅」

「――っ」

「誰よりも」


ゆっくりと流れる涙。

俺の指に絡み取られて、ぽたっと床に落ちた。


「ありがとう。私きっと、その言葉だけでこれから一生笑っていられる」

「――」

「ありがとうっ」


悲しそうに笑って、頬の俺の手を掴んだ紗羅。

そして、ゆっくりと自分の膝の上に置いた。