◇
リン
リン
風鈴の音が静かな部屋に響く。
風呂から上がって、自室の窓際で湯冷ましをする。
こんな静かな夜なのに、堤防での紗羅の言葉が頭に張り付いて心が落ち着かない。
いつになく真剣だった紗羅の顔。
家に帰ってきてからはいつも通りだったけど、無理をしているようにも見えた。
時計はもう23時を回った。
だけど、紗羅は一向に部屋に来る様子はない。
本当は呼びに行きたいぐらいだったけど、紗羅のあの神妙な顔を思い出して、じっと待った。
きっと、紗羅なりに何か考えがあるんだ。
そう思いながら、微かに聞こえる波の音に耳を澄ました。
すると――。
「成也?」
ドアの向こうから、声がした。
リン
リン
風鈴の音が静かな部屋に響く。
風呂から上がって、自室の窓際で湯冷ましをする。
こんな静かな夜なのに、堤防での紗羅の言葉が頭に張り付いて心が落ち着かない。
いつになく真剣だった紗羅の顔。
家に帰ってきてからはいつも通りだったけど、無理をしているようにも見えた。
時計はもう23時を回った。
だけど、紗羅は一向に部屋に来る様子はない。
本当は呼びに行きたいぐらいだったけど、紗羅のあの神妙な顔を思い出して、じっと待った。
きっと、紗羅なりに何か考えがあるんだ。
そう思いながら、微かに聞こえる波の音に耳を澄ました。
すると――。
「成也?」
ドアの向こうから、声がした。



