〝サラね、大きくなったら、お嫁さんになるの″


屈託のない笑顔で微笑んだ昔の紗羅を思い出す。

今も変わらず、純粋で真っ直ぐだ。


「そっか」


愛おしくて、愛おしくて、紗羅の絹の様な髪を優しく撫でた。

すると、紗羅は嬉しそうに俺の肩に頭を乗せてすり寄ってきた。


「成也の夢はパイロットだったっけ?」

「よく覚えてたな」

「言ったでしょ? 私、記憶力いいんだから!!」


昔、話した将来の夢。

そういえば、パイロットになるのが夢だったな。

空に輝く星を見るのが好きで、いつかその場所に行ってみたいと思っていた。