「さて、本日のラストを飾るのは、現代に残る、王子様とお姫様の2人です」
最後のモデルさんが舞台袖に帰ってきた瞬間、司会の人がそう言った。
その瞬間、今まで以上に会場が大きな拍手と歓声に包まれた。
やっぱり、みんな成也の事見にきたんだろうな。
あんなにカッコイイんだもん。
みんな見たいに決まってる。
「じゃぁ、まずは成也くん。よろしくお願いします!」
塩谷さんがガッツポーズをして、スタンバイしている成也に話しかけた。
確か、二人一緒に出るのではなく、成也が初めに一人で舞台に上がるはずだ。
「あぁ」
軽く返事した後、横にいた私に目線を向けた成也。
クッキリとした瞳を少し細めて、優しい視線を送る。
そして、私の頬を手の甲で優しく撫でた。



