人魚姫の涙




オレンジ色の空が消えた頃、舞台が一気に慌ただしくなった。

まったりと控室でジュースを飲んでいた私は、その様子を眺めていた。

すると。


「始まったみたい!!」


急に鳴りだした音楽を聞いて、ワクワクした顔で立ち上がった塩谷さん。

飲んでいたジュースをテーブルに置いて、私も心の準備をする。


「私の出番はいつなの?」

「紗羅ちゃんは、最後! 大トリだよ」


ニタァっと悪戯っ子みたいな顔で微笑んだ塩谷さん。

そして、表見てくる! と言い残して、キラキラした目で控室を出て行った。


心臓に響くような音楽が鳴り響いている。

その隙間に、絶え間なく聞こえる歓声。


いっぱい人集まってるのかなぁ。

なんだかワクワクしちゃう。


そういえば、成也はどうしたんだろ?

もう準備できたのかな。

そんな事を思いながら、再びジュースを飲んでいると。