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「成也くんはここで待ってて」
昼過ぎに、塩谷と待ち合わせをして紗羅と一緒に演劇部の部室へ向かった。
着くや否や、紗羅は別室へと連れていかれ、俺は暇を持て余していた。
校舎から少し離れた別棟にある部室。
輝かしい成績のおかげか、部室はカナリ広く、なにかのアトリエみたいだった。
いろんな生地や裁縫道具が大きな机に散乱している。
もはや部というか、プロの仕事場の様だ。
壁には様々なデッサン画が張られ、マネキンには奇抜な衣装が着せられている。
本格的だなぁと思う。
大学では一切こういった部活やサークルには入らなかった。
中・高は部活一筋で遊ぶ暇もなかったから、最後の学生生活を自分の好きなように時間を使おうと決めたからだ。
だからといって、やりたい事があったわけでもないし、有意義な時間を過ごしているわけではない。
だから、こういったように『やりたい事』に打ち込んでいる人間を見ると、羨ましくも思う。



