人魚姫の涙

演劇部―――。

俺の大学の演劇部は定期公演などもしている本格的な部だ。

なんでも、全国のコンクールでも毎回上位だとか。

そういえば、この前ここの部で作った衣装が賞を貰ったとか、言われてたな。

去年の文化祭でもショーをして、雑誌とかに載ったみたいで雅樹が騒いでた気がする。


うん。

見せ物になるのはゴメンだ。


「悪いけど―――」

「これ、着られるの?」


やんわり断ろうとした時、紗羅が声を重ねて俺の言葉を遮った。

夢現な様子でぼんやりと目の前の女の子を見つめている。


「うん!! あなたに着てほしいの」

「お姫様...…」

「さ、紗羅?」


うわ言のように呟いて、紗羅は瞬きを繰り返した。

そして、ようやく状況を理解したのか、面白いくらい分かりやすく目を輝かせた。


その姿に嫌な予感を覚えて一歩後ずさる。

すると。