「わ~暑いね~」
そう言いながらも、真っ白なワンピースを風になびかせて、流れる汗すらも綺麗に見える紗羅を横目で見つめる。
真っ白な肌の上を滑る汗は光を浴びて、まるで真珠のようだった。
まだ夏休みという事もあり、校舎の中の人は少ない。
それでも、目に入る人達は皆、揃って紗羅を凝視している。
「2時間くらいは講義があるんだけど、紗羅どうする?」
「ん~、ブラブラしてる」
「そっか。じゃぁ、2時間後に裏門の所でな」
「うん!」
ニッコリ笑った紗羅は、クルッと後ろを向いてトコトコと校舎の中を走って行った。
その姿がまるで、遊園地に遊びに来た子供を見ている様で、可笑しかった。



